interview vol.001

メイクアップアーティスト

寺長根 愛


どのような活躍をされていますか?

寺長根 メイクの仕事がベースになっています。そこからいろんな方向性へと延びていき、女性のヘアメイクも年齢層が幅広くなりました。出張もあり、テレビ、撮影、イベント、専門学校の講師もしています。

全国展開もされていますよね?

寺長根 自分のブランド商品があります。東京、札幌の東急ハンズ、札幌ステラプレイスに入っています。また、通販ではディノス、らでぃっしゅぼーや、ニッセンにも出しています。


周りの人に、どのような影響を与えていますか?

寺長根 若い年代、高校生や専門学校生に私にしかできないこと、頑張る姿を見せることによって、「このような事ができるんだ!」「こうゆう世界もあるんだ!」と思ってもらうことが、夢を与えてることになっていると考えています。

ターゲットはどんな人ですか?

寺長根 一般女性をレッスンすることです。その方の人生に携わることになります。実際20代~70代のお客様がいらっしゃいます。

お仕事をする上で愉しいこと、うれしいことはどんな時でしょうか?

寺長根 独立して10年が経ちますが、例えば独立前からのお客様で、デートの日、結納の日、結婚式、お宮参りなど、人生の大事な日に関われることはとても嬉しいです。また、色んなお客様のライフスタイルを見ていけることがとても愉しいです。

また、最近はビューティーだけではなく、特殊メイクも意外と愉しいです。ターゲットが男性にも広がっていくのかなぁ~と更に楽しみになります。


苦しかった、辛かった経験はありましたか?

寺長根 あまり無いですね。そのときは大変だと思っても、辛いとかは思わなかったです。ただ、無理しすぎて身体がやられたことがあります。そのときは「心配掛けてごめんなさい」「休んでごめんなさい」という申し訳ない気持ちでいっぱいになったことはあります。

また、それをどのように乗り越えましたか?

寺長根 実は20代後半、甲状腺ガンにかかり手術と放射線治療をしました。その1年半後に再発したため再び手術をし、今度はお薬のように飲んで全身に放射線を当てるような治療をしました。

 

女性には子どもができにくくなるなどリスクが大きく、そのときに自分の人生を考え直すきっかけになりました。

 

その時です。サンフランシスコのシャスタという所に行き、そこで出会った人に「あなたはこのような経験をしても大丈夫だからできたんだよ」と言われたことで、女性としての人生を前向きに考えられるようになりました。

 

また、その時に精神論の本を沢山読んだのですが、そこでも心に沁みることがたくさんありました。

お仕事のモチベーションの維持のため心掛けていることは?

寺長根 まずは好きで、愉しいと思えることです。沢山のお仕事がある中で、良い意味で仕事を選ぶことができています。また、皆さんが笑顔で幸せになるのを見ることもモチベーションになっています。


今のご活躍の原動力はなんでしょうか?

寺長根 元々コンプレックスの固まり、小さいときから劣等感を感じていました。でも負けず嫌いでもあったのです。そのため、認められたい、誉められたいという気持ちが強いのだと思います。

 

また、病気のとき、自分は「治そう!」と思って前向きに頑張ることはできますが、周りの人たち、特に家族は何もできない、頑張りようが無いと思ったとき、自分以上に苦しいのでは?!と思いました。それも原動力になっていると思います。

今後の予定、または夢、目標などを教えてください。

寺長根 現在Aiブランドとして3種類出しています。そしてもう2種類を現在開発中です。製品が増えることにより、取り扱い店舗も増やしていきたいです。皆様が誰もが知っているデパートにも出店していきたいです。

そのとき愛さんはどこにいるのでしょうか?札幌ですか?

寺長根 それは分かりません。札幌にはこだわっていません。そのとき感じるままの場所に居たいです。


同じように活躍したいと思っている若者にメッセージをどうぞ。

寺長根 就職と結婚は似てると思うのです。結婚はたとえ嫌なことがあっても、それを許せるくらいのベストパートナーだから、結婚することになるんだと思っています。

 

就職も同じで、お給料や勤務地などが希望通りじゃなかったとしても、「自分が本当にやりたいこと」「自分が本当に働きたい職場」なら、それ以外のことは、おのずと妥協できたりするものです。その感覚になるまでは、まだまだ道の途中。「本当に自分がやりたいこと」を見つめてほしいです。

 

私にとって、メイクは自分を成長させてくれるツールです。23歳で独立したばかりの頃、「贅沢品にあたえるようなメイクでお金をいただくということ」について考え、なかなか答えに辿り着けず悩んだ時期がありました。

 

そんな時にマザー・テレサの本を読み、マザー・テレサにとって宗教は「彼女の意思を伝えるツール」なんだろうなと思えたのです。きっと彼女が違う宗教と出会っていたとしても、同じメッセージを世の中に伝え残したのだろうと思います。そう思ったとき、自分にとってメイクはツールなんだと思えて、フッと肩の力が抜けました。

最後に北海道をどう感じていますか?

寺長根 ポテンシャルのある地域だと思っています。情報が遅いとか、遅れているとか色々言われますがそれってまだまだポテンシャルがあることだと思うのです。

 

特に美容業界では需要と供給のバランスが取れていないと言われています。それってもっともっと需要を広げて消費者レベルを上げていかなきゃいけないと思うんです。自分と向き合って大切にすることができたらよいと思います。

 

今、ゲリライベント「Sapporo DRESS JACK」や「リアルセックス」も開催しています。特に「Sapporo DRESS JACK」は楽しんで笑顔を増やすことができています。「リアルセックス」は性がその人の生き方の原点だと思って開催しています。

 

本日は、ありがとうございました。

寺長根 こちらこそありがとうございます。

interview vol.001

メイクアップアーティスト

寺長根 愛

てらながね あい

札幌を拠点に活動するメイクアップアーティスト。

2006.4月にメイクサロン&スクール「AiLOGIC」を設立。その後、2014.4月より「AI TERANAGANE make up studio」としてリニューアル。同時に、コスメブランド「AI TERANAGANE」を立ち上げる。

 

スタジオ運営の他に、テレビ・映画・雑誌・CM等のヘアメイクも多数担当。芸能人・タレントなどのヘアメイクも手掛ける。専門学校や各種企業にてメイク講師を勤める傍ら、メイクセミナーやイベントなどの主催も行う。 活動拠点である札幌以外に、日本国内主要都市及びロサンゼルス、サンフランシスコでもセミナーを開催。

 

学生や後輩を育成し、業界を盛り上げていくためのイベント企画も行い、ブライダル業務や化粧品開発、コラム&メルマガ執筆等、多岐に渡って活動中。